アスラルト峰は、モンゴル国のトゥブ県エルデネ郡に位置し、ハン・ヘンティー山脈の最高峰です。標高2,799メートルにそびえるこの山は、登山者や旅行者に人気で、多くの人が登りに訪れます。さまざまな伝統や風習が関連しており、時には特定の試練を乗り越える場所ともされています。
冬のルート
ウランバートル市から約100キロメートルの距離にありますが、道が険しくて悪路が多いため、冬の場合はアスラルト峰のベースキャンプに到着するまで少なくとも5時間はかかります。夏の場合車は近付くことが出来ません。冬になると川や沼、泥が凍るため、この時期に訪れる人の数が増えます。モンゴルには「母親は子どものすべての願いを叶えるが、アスラルト峰は母親が叶えられない3つの願いを叶えてくれる」という伝説があります。
この山への登山は、普通のハイキングではなく、上級者向けの挑戦と言えます。歩行距離が長く、雪が多く、2つの急な登りがあり、風が強いため、体力をかなり消耗します。そのため、上級者向けのハイキングとされています。現地には宿泊施設や休憩所、建物などは一切なく、旅行者は冬の寒さの中、テントを張って野外で夜を過ごします。宿泊しない場合は、前日の夜11時頃から早朝3時までの間ににウランバートルを出発し、夜通し車で移動してベースキャンプに着き、朝食をとった後すぐに登山を始める人もいます。人が通った道やトレイルがない場合、グループのガイドが雪の中を進んで道を作ります。最初は森の中をゆっくり登っていき、やがて樹林帯を抜けます。森を出ると風が強くなることが多いです。これが冬の登山の難しさの一つです。さらに少し登ると最初の急な斜面に到着します。ここまでで1～1時間30分ほどかかります。この急斜面は初心者だと約1時間かけて登ります。頂上付近まで登ると、少し平坦な場所を歩き、再び頂上に向かって登ります。この2つ目の登りも1～1時間30分ほどかかり、頂上に到達します。速く歩ける人はもっと短時間で登れます。ただし、手つかずの自然の中なので、グループやリーダーの指示を必ず守って進むことをおすすめします。頂上には、サッカー場より少し小さい平らな場所があります。
夏のルート
暖かい季節には、アスラルト・ハイルハン山へ馬や徒歩で旅行が可能です。徒歩の場合、4泊5日で快適に旅を楽しむことができます。夏は沼や泥が多いため、防水性の靴や服を用意するのが賢明です。また、道中で大小の川を何度も渡るので、サンダルや替えの靴があると便利です。途中には牧民の家やキャンプ場はなく、純粋な自然と野生動物だけが広がっています。そのため、テント泊が必要です。観光客は通常、荷物を馬に載せて、自分たちは軽装で歩くことが多いです。
このように、アスラルト・ハイルハン山は自然を満喫できる場所ですが、準備をしっかりして挑戦することが大切です。
