ゴビ・アルタイ山脈の最高峰の一つであるイフ・ボグド山は、海抜3,957メートルにそびえ立つ壮大な山です。この山脈は北西から南東に約70キロメートルにわたって伸びており、モンゴル国の南西部、バヤンホンゴル県に位置しています。
ウランバートルからのアクセス
ウランバートル市からイフ・ボグド山の登山口へ向かう場合、朝早く出発すればその日の夜には登山口に到着可能です。ただし、のんびりと疲れずに行きたい方は、途中のバヤンホンゴル県にある快適なホテルに1泊してから向かうことをおすすめします。
- 直行する場合: ウランバートルから登山口までは約890キロメートルの距離です。
- バヤンホンゴル経由の場合: バヤンホンゴル県の中心部から登山口までは約270キロメートルです。
バヤンホンゴルから登山口へ向かう道はいくつかありますが、どのルートを選んでも150キロ以上は舗装されていない未舗装路を走ることになるので、その点は覚悟しておいたほうがよいでしょう。
登山口について
登山口には山小屋や施設は一切ありません。そのため、テントを持参して宿泊する必要があります。事前にキャンプ装備をしっかり準備しておくことが大切です。
登山ルートの概要
バヤンホンゴル県での登山は、テントを張ったベースキャンプからスタートします。ガイドが一緒についてくれるので、そのガイドがどの斜面を登るかによってルートがいくつか変わります。まず、谷を登りながら体を慣らしつつ、そのまま山に向かって登っていきます。そして、山の稜線(山の頂上付近の尾根)にたどり着きます。
そこから稜線に沿ってさらに登り続け、約1時間以上歩くと「岩場」と呼ばれるエリアに入ります。この岩場は注意が必要な場所です。なぜなら、足元の岩が崩れて下に落ちる危険性があったり、上にいる人の足で岩が崩れて落ちてきたりするリスクがあるからです。安全第一で慎重に進むことが大切です。
所要時間
登るだけなら6~10時間くらいかかりますが、往復(登り+下り)だと16~18時間ぐらいになることが多いです。天気やチームの体力によっては、もう少し長くなる場合もあります。下山した後は、みんなで話し合って決めます。もし天気が良ければベースキャンプで休憩し、悪ければ近くの村まで頑張って移動することもあります。次の日はウランバートル(モンゴルの首都)に戻るスケジュールです。
この登山はかなりハードで、日本人にとっては体力的に厳しい挑戦になるかもしれません。でも、長く休みを取れない日本の登山者やトレッキング好きには、短期間で本格的な冒険を楽しめる良い機会かもしれませんね。
登山に適した季節
- 夏(6月~9月): 一番おすすめの季節です。気温が比較的暖かく、登山しやすいです。
- 春(3月~5月)と秋(10月~11月): 少し寒くなりますし、雪や吹雪が降る可能性もあります。それでも、モンゴルで登山やトレッキングを楽しむ人はこの時期にもよく訪れます。
- 冬(12月~2月): 冬登山もできますが、かなり寒く、準備がしっかり必要です。
バヤンホンゴル県の気候
バヤンホンゴル県はモンゴル国の南部にあり、ゴビ砂漠の影響を受けた乾燥した気候が特徴です。日本と比べると雨が少なく、気温の変化がとても激しい地域です。
- 夏(6月~8月): 短い夏で、日中は20℃~30℃くらいまで上がります。でも、夜は冷え込んで、昼と夜の温度差が大きいです。日本の夏みたいにジメジメしていないので、過ごしやすい面もあります。
- 冬(11月~3月): めっちゃ寒いです!気温が-20℃以下になることもあり、風も強いので体感温度はさらに低く感じます。日本の冬とは比べ物にならないくらい厳しいです。
- 春と秋: 短い季節で、気温がコロコロ変わります。特に春は砂嵐が吹くこともあるので、注意が必要です。
- 雨の量: 年間の雨は100~200mmしか降らず、日本の雨の量(1000mm以上)と比べるとかなり少ないです。雨は夏に少し降るくらいで、あとはほとんど乾燥しています。
この地域は湖や川、オアシスが少しあるものの、基本的には砂漠っぽい景色が広がっていて、草や木もあまり生えていません。登山や旅行に行くなら、防寒グッズ(冬は特に!)と水をしっかり持っていくことが大事です。
日本人へのアドバイス
この登山は、日本の山登りとは違ってかなりワイルドで自然そのままの体験ができます。体力に自信がある人や、普段味わえない冒険を楽しみたい人にはぴったりです。ただ、気候が厳しくて準備が大変なので、ガイドと一緒に計画をしっかり立てて、安全に楽しんでくださいね!